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李尚謙
Li Shang-Qian
光の実験 II
光は、いつも私たちの世界を照らしている。
この展覧会で、写真は世界を指し示すのではなく、
ふと振り返り、光そのものを見つめる。
風景もなく、人物もなく、
そこにあるのは、空間に残された光の痕跡だけ。
小さな孔、細長い隙間を通り、
光は静かに進んでいく。
広がり、重なり、分かれながら、
斑点や線となり、幾層にもひらく色彩を描き出す。
水面に揺れる微かな波のように、
あるいは、空気の中に一瞬あらわれる虹のように。
これらのイメージは、
光がある瞬間に、
そこに残すことを選んだかたちである。
写真とは、本来、光によって書かれるもの。
ここで書かれているのは、物ではなく、
光そのものの存在である。
理解しようと急がず、
ただ静かに眺めているとき、
光は、その柔らかさや流れ、
言葉では捉えきれない美しさを、
そっと現す。
サロン ねねの道
〒605-0072 京都府京都市東山区鷲尾町512番地
Open: 4.18 Sat.–4.26 Sun.
Open Everyday
12:00 - 18:00
入場無料 | Free