KG+ SELECT 2025

奥田正治

Masaharu Okuda

Dig A Hole

はじまりは震災から11年たった福島から宮城の海岸線でみた風景から。

防潮堤、植樹された高台、ソーラーパネル、土砂置き場、雑草が生える更地を緑地公園にするためにダンプカーで岩や土が運ばれていく。新しい田んぼへの道がつくられ、人が住めないと定められた場所に、グランピングサイトが建設されている。パッキングされた廃棄物が埋め立てられ、大規模な丘が形成されている。除染は完了しているが、まだ作付けすることのできない畑をこの場所にとどまった農家が分担して管理維持している。700年代の史跡が地中から掘り起こされ、考古学で扱うような時間軸で、高レベルの放射性廃棄物を地層処分するための研究が進められている。避難して戻らない友人の家の庭先に「殺風景だから」と植樹する人。大昔の人々が数キロメートル離れた川から岩を運び、並べて死者を弔ったとされる行為と重なる。合理、不合理ではない他者への行為が、人を人たらしめているように感じる。

復興したとされる場所を入り口に、大規模につくられていく風景とその中で出会った人たちの営み、堆積物の長期的な時間軸と風景が変わる速度を「穴を掘る」という行為を通して見つめる。

堀川御池ギャラリー

〒604-0052 京都府京都市中京区押油小路町 油小路通御池押油小路町238―1

地下鉄東西線「二条城前」駅2番出口から徒歩3分

Open: 4.12 Sat.—5.11 Sun. 11:00—18:30 (最終入場|Last Entry 18:00) Closed: Mon.

11:00 - 18:30

入場無料

Supported by 株式会社シグマ |Sigma Corporation

RELATED EVENT - 関連イベント

OTHER EXHIBITIONS - その他の展示

ALL EXHIBITION