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立花光

Hikaru Tachibana

壁抜け

誰もいないホテルの廊下、窓のない地下のプール、レイトショーのあとのショッピングモール、ふと迷い込んでしまった巨大倉庫、開店前のゲームセンター。見る前からすでにあり、あとからあったと知る時空間。傍らにある密室のバックヤード。私たちはそれらへ壁抜けする。  立花は、国家的な枠組みを超えて見られる、歴史や文化と無関係な場に着目する。私たちの傍らで控えている、交換可能でマッシブな存在。遡行的に、あとから遅れて発見される匿名的な場。立花は、こうした存在や場をふと目撃する感覚を、「壁抜け」と表現する。「壁抜け」とは、<そこにうっかり抜けてしまった> <それは見る前からあった>がもつれた感覚である。 それは「写真」の2つのテーゼ<その瞬間にまさに出会った> <それはかつてあった>よりもありふれた、それでいてもっとも不確かな感覚、「なにかを見る」という感覚——不可逆でありながら代替可能な「目-存在」の感覚である。

ギャラリー16

〒605-0021 京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394, 3F

Open: 4.30 Tue.–5.11 Sat.
12:00–18:00
Closed: 5.6

12:00 - 18:00

入場無料

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