A10

李卓媛

Sharon Lee

If Tomorrow Never Comes

京都芸術センター

もし明日が来なかったら
その時は、今日を頑張ろう
明日からあなたを忘れないために

私はカメラに変身する
あなたがくれた昨日の名残り
あなたのために、私はこれで、ポートレートを撮る
明日につながる一枚を

《If Tomorrow Never Comes》は、「来」と「末」という2つの漢字を私自身が混同して誤読したことから生まれたパラドックスを提示する作品である。皮肉なことに、この誤読は現代社会の底流にある不安をうまく捉えている。去るべきか、留まるべきか。忘れるべきか、覚えておくべきか。これらの問いは、ディアスポラ化する世界において、孤独とかりそめの帰属意識との間で常に揺れ動いている。
このシリーズは、私の家族や友人を被写体としている。すでに私のもとを離れた人もいれば、もうすぐ離れていく人、あるいは決して離れないであろう人もいる。ともに過ごした昨日にゆっくりと別れを告げるために、私は明日のポートレートを撮影する。モデルとなる人の過去に属する何かを受け取り、それをピンホールカメラへとつくり変える。「決定的瞬間」を避けるため、私はその人と想像の未来について会話をかわすことにより、露光時間を決定する。
撮影者、カメラ、そしてモデルという三者が生み出す力学を覆し、レンズを使わない撮影システム、すなわちカメラ・オブスキュラという原始的な光学システムを用いることで、信頼、眼差し、そしてコミュニケーションに基づく関係性のポートレートを生み出す。
共有された余韻の中で、未知の未来が姿を現してくる。ハウ・アー・ユー・トゥモロー?

李卓媛(1992年香港生まれ)は写真を中心に多領域で活動するアーティストである。歴史や文化的アイデンティティに関する記憶をテーマに、イメージ、オブジェ、テキスト、そして場を制作している。
国内外で作品を発表しており、主な展示にTai Kwun Contemporary(2022年)、Hong Kong Art Promotion Office(2020〜2021年)、Peer to Peer: UK/HK (2019年)、香港国際撮影節(2018〜2021年)がある。初個展の「The Presence of Absence」(2017年)はLumenvisum New Light Awardを受賞した。《The Crescent Void》シリーズ(2018〜2019年)ではWMA Masters Awardを受賞。香港芸術発展局および香港特別行政区才芸発展奨学金の助成金を取得。オーストリア、ドイツ、台湾、米国でアーティスト・イン・レジデンスに参加した。

京都芸術センター

11:00 - 19:00

入場無料

Open: 4/15-5/14 11:00-19:00
Closed: 5/8

京都芸術センター

〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2

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