KG+ 2023

57

逢坂憲吾

Kengo Osaka

枯花

「生を受けた時から死に向かう、抗えない時間の流れを翻訳している」。 写真家・逢坂憲吾の「枯花」シリーズが捉える対象は、みずみずしく咲き乱れる花ではなく、色褪せ、しおれ、ぐったりとした、終焉を目前にしている花々である。しかし、どうだろう、そこに写し出されているのは「死」という点ではなく「生」の時間だ。鮮明に写された葉脈や毛状突起、花びらに浮かぶシミ。逢坂の写真は、もはや水や栄養を巡らせる力はなく、あざやかな色は失われているにもかかわらず、一輪の花が浴びてきた陽の光、身を漂わせた空気や風、土の温かさ、吸い込んだ水……花が生きてきた時間と情景を浮かび上がらせる力がある。「枯花」というタイトルに抗うように、最期まで咲こうとする花の生気が立ちあがっている。その姿はわれわれ人間の生命と呼応する。 文・本屋しゃん 中村翔子

ONE AND ONLY

〒604-8163京都市中京区室町通蛸薬師上る鯉山町 527

Open: 5/3-5/14 13:00-19:00 (Sat, Sun, National holidays: 11:00-19:00)
最終日は17時半まで
Closed: 5/9, 5/10

13:00 - 19:00

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