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堀井ヒロツグ、成田舞、片山達貴
Hirotsugu Horii, Mai Narita, Tatsuki Katayama
透明な手で触れる
ある身体研究者の方から、身体の中には、宇宙よりも遠い場所があると聞いたことがある。そのひとは手を足のように、足を手のように扱うことができる。「からだ」そのものがもつ可能性をひらいていこうと、日々、実践しているという。
可能性とは、たとえば足でものを掴むことを禁止されることによって、足が歩く機能しかもてなくなるように、文化や習慣によって狭められてしまうそうだ。そんな彼がいうところの「遠い場所」とは何を指していたのだろう。
私たちの存在は、そこにどんな属性やラベルが紐づいていても、あるいはどんなに言葉を尽くして探ろうとしても、自分自身にさえ未知な領域があるのではないだろうか。だからこそ、誰かに触れられることによって、思いがけない可能性がひらかれることがある。
この展覧会では、堀井ヒロツグ、成田舞、片山達貴の3作家による、それぞれの「透明な手」で、日常の中にみえていながら見落としているものに触れようとする。それは、身体の中の遠い場所を考えるように、既に出会っているものたちとどのように出会い直すことができるかを問うていく試みでもある。
GOOD NATURE STATION 4F GALLERY
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