KG+ 2023

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aisti

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檸檬のある風景

梶井基次郎の「檸檬」(1925) は、不安な時代に倦怠を抱いて街を徘徊する「私」の心象風景と、果物店で出会った一個のレモンによって鬱屈した思いが開かれてゆく感覚が印象的な作品として、これまで多くの共感を得てきた。梶井と同時代を生きた詩人建築家・立原道造もその世界観に惹かれ、かつて作中に登場する寺町通を「梶井基次郎の遺蹟めぐり」と称して散策した。  本企画は両者の文献を紐解く中で浮かんだ空想―「もし二人がこの町の何処かで出会っていたなら」―を端緒としている。aistiでは個々が立原のアーティストとしての目線を追いながら、〈檸檬のある風景〉を追体験することで作品世界の多様性を認識した。百年という時を経ても「檸檬」の世界は私たちを魅了し続けている。本展覧会では、テクスト、写真、オブジェ、映像のインスタレーションによる現代の視点を通して、〈檸檬のある風景〉を今に繋がる物語として再構築する。

Gallery Take Two

〒604-0941京都市中京区御幸町通御池上ル亀屋町399 カーサ御幸1F Casa Goko 1F

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