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伊賀美和子
Miwako Iga
Narrative & Non-Narrative
伊賀美和子は小さな人形やままごと遊びの玩具を被写体とした写真作品を制作する写真作家である。 ドラマの一場面のような物語性を感じさせるシーンや、あるいは奇妙で無意味に見えるシーンを市販の人形や玩具を用いて構成し、ときに辛辣でときにユーモラスなその光景を撮影する。「ステージド・フォトグラフィー」の一種にも、また「レディメイド」の変種としても位置付けられる伊賀の写真は、子供時代に見た映画やテレビのチープな合成映像から影響を受けている。 本展では、近年特に取り組んでいる、小説などの文学作品にインスピレーションを受けたシリーズの作品に加え、物語性を排しておもちゃ遊びに徹した旧作(「弄ばれた玩具」)も併せて展示することにより、「演じる人形」と「演じない人形」を対比させ、観る者にリアリティとフィクション性の複雑な関係性を意識させる。
HRDファインアート
〒602-0896 京都市上京区上御霊竪町494-1