KG+ 2026

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岡本康明

Yasuaki Okamoto

地表を歩く

枯葉を踏む足音のなかを 歩く
遡行する川のながれを 歩く
肌を刺す寒風にふかれて 歩く
大気を浴びて 空色の気層を 歩く

1990年代はボードリヤールが提唱した概念からシミュレーション社会とも言われ、現実と非現実との境界が曖昧となり、両者が混じり合うことで、虚構(非現実)の世界が現実を凌駕する超現実(ハイパーリアル)な世界が生まれていると言われた。90年代に発表した個展「美術の身体、身体の美術」では、高度情報化社会に生きる我々の生身の身体の体験と、情報化による体験構造における身体のありようをテーマとした。あれから30年余りが経ち、現代ではデジタル技術と人口知能(AI)の技術の発展によって、さらにソーシャルメディアやバーチャルリアリティー技術が進化している。私もまた双方向性のメディアの進展によって、日々の生活に恩恵を受けている一方で、この急速な社会状況の変化そのものが身体への侵襲さえも起こしている感覚に襲われることがある。今回の個展では、現代における身体のメディア的変容によって、いま我々が直面している身体の空洞化という現実を前に、カメラ一台を持って〝歩く〟という行為を重ね、その体験を通して何が見えてくるのか。各地を巡り撮影した写真、川を源流に向かって遡行する映像、かつて制作したテクストとオブジェによって構成するインスタレーションによって、現時点での身体の地平を問い直してみたい。

キカ・コンテンポラリー・アート・スペース

京都市上京区上生洲町224-2

Open: 5.2 Sat.–5.10 Sun.
Open Everyday

12:00 - 18:00

*最終日は16:00まで | Until 16:00 on the last day

入場無料 | Free

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