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菊地大作
Daisaku Kikuchi
Glow
現代社会における「幸福」とテクノロジーの関係性
―モンゴル遊牧民との生活を通して見つめ直す人間の根源的幸福―
近年、テクノロジーの急速な発展により、人々の生活はかつてないほど便利で効率的になっている。その一方で、情報過多やデジタル依存といった新たな問題も顕在化している。
作者は五十歳を迎えたことを契機に、「死」や「残された時間」について考えるようになった。ある日、スマートフォンのスクリーンタイムを確認すると、1日約8時間を画面の前で過ごしていることに気づいた。単純に計算すれば、残りの人生のうち約3分の1を小さなスクリーンを見つめて過ごすことになる。この現実を前に、作者は「本当にこれで良いのか」と疑問を抱いた。
便利さの裏で奪われているもの――それは「時間」と「心の余白」である。人間本来の幸福とは何かを見つめ直すため、作者はテクノロジーから最も遠い環境の一つであるモンゴルの草原へ赴き、遊牧民の家に滞在した。
電気もほとんど存在しない草原の生活は、自然の循環の中で生きること、家族や仲間と支え合うこと、そして「今ここ」に存在することの尊さを教えてくれた。
本作品は、テクノロジーの恩恵とその弊害の狭間で、作者が見出した「シンプルな幸福」を可視化する試みである。
目田ロフト
京都市下京区突抜二丁目353-1 目田ロフト
Open: 4.18 Sat.–4.27 Mon.
Open Everyday
11:00 - 18:00
入場無料 | Free