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Vincent FOURNIER
Vincent FOURNIER
ARCHEOLOGY OF THE FUTURE
Space Project & Post Natural History
Space Project /スペース・プロジェクト
2007年に始まったヴァンサン・フルニエのシリーズ作「スペース・プロジェクト」は、スタ―シティ、ケープカナベラル、ユタ州の火星探査訓練施設など、宇宙探査に関連するさまざまな場所を探訪しています。
緻密に演出された構図を通じて、人類の宇宙への旅にまつわる夢や集団的なイメージを再解釈しています。
科学とテクノロジーに魅了されたフルニエにとって宇宙は、人間の信仰、ユートピア、恐れ、そして希望を映し出す鏡であるといえます。
彼の作品は、新たな始まりの可能性と極限の領域の両方を想起させ、私たちが世界とどう関わるかを再考させます。また、彼の作品は、想像上の未来へのノスタルジーに満ちた視覚的な記憶を宿しており、普遍的な夢と個人的な感情のあいだに存在しているかのようです。
Post Natural History /続・自然史
15〜18世紀にヨーロッパで設けられた珍品を蒐めた博物陳列室「驚異の部屋」の発想を再解釈する本シリーズは、過去から未来へ、さらにその先の未来へと時空を超えた表現を試みている。仮想新種の考察は単なる空想ではなく、人工生物学やサイバネティックスの現在の研究に基づき、環境変化への適応や遺伝子組み換えによる生物として一種の現実味を持ち合わせている。
汚染率を測定する光センサーを有するガラス質の繊細な胴体のトンボ、天敵を跳ね除ける羽をもつフクロウ、記憶力に長けるカラスなど、フルニエが捉えた未来の突然変異や進化した生物たちが生み出されている。何よりも、この緻密で繊細な表現はフィクションを肯定してしまいたいほどに美しい。極めて現実味を帯びた非現実世界は、彼のファインダーを通じて覗きみる美しく緻密な仮想未来図である。
Vincent Fournier/ヴァンサン・フルニエ
フランスの写真家、映像作家。1970年生まれ。1997年、アルル国立高等写真学校(École nationale supérieure de la Photographie)卒業。現在はパリを拠点に活動する。
宇宙、ロボット、科学、テクノロジーをテーマに世界各国を取材し、未来を探究する制作に取り組む。フランス、ベルギー、ドイツ、イギリス、ロシア、日本、中国、台湾のギャラリーやアートフェアでの展示実績のほか、Fondation Louis Vuitton(フランス)、メトロポリタン美術館(アメリカ)、Fondazione MAST (イタリア)、ポンピドゥー・センター(フランス)等に作品が永久収蔵されている。
2008年にカンヌ国際広告フェスティバルで銅獅子プレス賞、2022年に「Prix Swiss Life à 4 mains」を受賞した。
「SPACE PROJECT」(2007–2021年)、「THE MAN MACHINE」(2009–2010年)、ユートピア建築「Brazilia」(2012–2019年)のほか、最近では系外惑星の植物相「Flora Incognita」(2024–2026年)をテーマに制作に取り組む。なお、「Post Natural History」(2013–2022年)、は、2014年公開の映画「アメイジング・スパイダーマン2」に採用され、各シーンに彼の作品が登場して注目を集めた。
半兵衛麸五条ビル 2階ホール Keiryu
〒605-0903 京都府東山区上人町433 半兵衛麸五条ビル
Open: 4.12 Sat–5.11 Sun. 10:00-17:00 Closed: Wed.
10:00 - 17:00
入場無料
キュレーター | Curator : Philippe Bergonzo