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大﨑緑、北村侑紀佳
OZAKI Midori, KITAMURA Yukika
Waving Slash /
一枚の布のはためきについて、つぶさに考えてみよう。大﨑緑が版画技法を用いて描きだす水面の、あるいは北村侑紀佳が出力する寝具のイメージの。 彼女らは、それぞれの表現技法において、2つの要素が立ち現れる「うつしとること」、そして「重ねあわせること」を共通して実践する。そこに、主観性/客観性、自己/他者(世界)、虚構/現実といった領域に向かう制作主題を、動きを感じさせるモチーフとともに組み込んでゆく。 しかし、ここに差し挟まれたスラッシュ[/]たちを、2つの世界を切り分ける存在として用いようとしているわけではない。むしろ、大﨑の場合は作品そのものが、北村の場合は作品群の中で揺れ動くことで、観者の意識のなかに微かな地形と時間を呼び起こす。まるで布が立ち上がり、その断面が直線から曲線へと変わる瞬間のように。 境界が連続したまま表裏が交差する作品は、私たちにアンビバレントな領域を差し出してくれるだろう。
ギャラリーGARAGE
京都市南区東九条北松ノ木町7-1
7-1 HigashiKujo,kitamatsunoki-cho, Minami-ku,Kyoto
Open: 4.12 Sat–4.27 Sun 12:00-19:00 Closed: Mon.
12:00 - 19:00
入場無料
キュレーター | Curator : 松村大地 | Daichi Matsumura