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尾山直子
OYAMA Naoko
耳をすます
「最期に聞きたい音は何か」。 20〜100代の50名を超える人々にそう問いかけながら、耳の写真を撮影した。 問いかけからうまれる語りには、多様で豊かな死生観がにじむ。そして、〈同じかたちは存在しない〉耳の写真とならぶことで、語りは確かな輪郭を持って世界にとどまるのである。 数十年前までは、「老いや死」は暮らしのなかに存在していた。ほとんどの人は自宅でいのちを閉じており、それは営みのひとつであった。しかし現代では、いのちを閉じる場は病院や施設に移り、結果として暮らしの延長線上で「老いや死」を体感したり、思考を深めたりする機会は少なくなっている。 本作品では、市井の人々の「生と死の物語」を表現として社会にひらいていく。多様な死生観との出逢いによって、豊かな時間をうみだす土壌を耕すことができるのではないか。本作品がそういった出逢いの回路になることを願っている。
GOOD NATURE STATION 4F GALLERY
京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318番6/318-6
Inari-cho, kawaramachidori shijosagaru, 2chome, Shimogyo-ku, Kyoto
Open: 4.12 Sat.-5.11 Sun. 10:00-20:00 Open Everyday
10:00 - 20:00
入場無料
*最終日は18:00まで