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松岡克幸
Matsuoka Katsuyuki
松風を抜けて
本展示は作家活動と古美術商の大きく二つの側面によって構成されている。一つ目に大徳寺という禅的空間の中で写真を展示することで新たな禅の境地を表現し発信することを目的としている。 禅思想とは身体認知が大きく関係している分野であり、その歴史は法語や公案といった文字テキストによって現代まで語り継がれてきた。文字からメディアに言語情報が転換期に差し掛かっている現代風潮を反映した作品を表現するために、墨蹟という禅宗美術の形式に沿って新たな言語媒体としての昇華を表現した作品群である。 二つ目に写真分野の先駆性としてファウンド・フォトの可能性である。古写真を収集しその個人の記憶に迫ることで見えてくる文学的心酔は現代の即物的な写真を否定し、それを作り出した現代のメディア価値観に波紋を投じることを目的としている。 この二つのテーマによって鑑賞者の知覚に働きかける展示構成である。
大徳寺塔頭龍源院
京都府京都市北区紫野大徳寺82
82, Murasakino Daitokuji-cho, Kita Ward, Kyoto City, Kyoto Prefecture, Japan
Open: 4.12 Sat.−4.23 Wed. 9:00−16:00 Closed: 4.18−4.20
09:00 - 16:00
大人¥400, 高校生¥300, 小・中学生¥200