浜中 悠樹

Yuki Hamanaka

本作は、日本原産の鑑賞魚である錦鯉の優美な動きに日本の美を見出そうとする 試みである。 日本では、様々な環境で錦鯉を愛でる文化がある。 錦鯉は、天敵のいない環境下で、優美にすごしている。 そのような人と共存共栄の関係にある錦鯉の動きを観察していると、互いにじゃれ 合ったり、尾びれを使って、まるで踊っているかのような動きを時折、織り交ぜる。 水中という空間の中で縦横無尽に動き回る様子は、人工的に作れない美しさがあ る。 そして、撮影した写真と向き合うと、上下左右が分からなくなるといった錯覚に陥るこ とがある。 鯉を媒体にして宇宙を感じているのかもしれない。