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草木 勝
Masaru Kusaki
コンクリートペインティング
僕は散歩と雑学と落書きが好き。工事現場の手順を書いたチョークの跡などは関係者にとってははっきりした意味があるのだろうけど、我々には謎めいた暗号のように見える。高架下の「グラフィティ」と呼ばれる落書きは設備の管理者によって消すために上塗りされた刷毛目の方が見た目にはむしろ面白い。さらにその上から経年劣化による汚れやひび割れが加わると素晴らしい景観になる。それらの模様は自然にできたものか、人の手によるものかに関わらず見る者の心に異なる感情やイメージを呼び覚ます場となりうる。陶芸家たちは窯の中で偶然生じる模様を「ケシキ」と呼び、自己の創作物を新たな視点で再解釈する。そういう意味では写真家にとって、カメラを向けるもの全ては「ケシキ」だし、写真撮影は新たな視点から日常を見つめ直す行為でもあると思う。
AMS写真館ギャラリー3・玄関ロビー
〒604-8425 京都市中京区西の京銅駝町48
Open: 5.1 Wed.–5.12 Sun.
10:00–17:45
Open Everyday
10:00 - 17:45
入場無料