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岡崎真奈美
Manami Okazaki
布を探しに~ティモール島~
ティモール島で見つけたのは、仕立てていない布を腰に肩にと巻き付ける村人の姿だった。衣としての一枚布には、包む、被せる、敷くなどの洋服にはない多様な使用法もあり、体に巻いた布は道具としての布の携帯でもある。 それらの布は家の女たちにより作られる。紡錘を回転させる手の動き、後帯機に掛けた経糸を腰で支えて調整するようすは、女たちの体が道具の一部として機能し、家族の布を作るという個人的な感情も技術と共に布に織り込まれていく。 布は儀礼的な役割を果たし、模様は文字に変わって島人の歴史を記憶してきた。布を探しに訪れる外部の人間の参与は、共同体内部の土地と時間とは別の方向へと布を持ち出し、違う価値で迎えられる場所への移動を示す。 ものとしての布、そして視覚的には見えているはずなのに見えてないティモールの布と人の係りをレンズの力で切り取り運びだし、どこに住んでいても変わらない生きる根っこになる記憶を探す。
bonon kyoto
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