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いくしゅん

Ikushun

showcase #11 "Definitely Local" curated by minoru shimizu

showcase #11 curated by Minoru Shimizu 帰ってきた いくしゅん  いくしゅん(1980- )は2009年と2011年にキヤノン写真新世紀で佳作を受賞、2013年にshowcase #2に登場し、2015年、写真集『ですよね〜』(青幻舎)で注目を集めた。が、その後は、ブログに散発的に日々の写真を載せるほか、発表の機会に恵まれてきたようにも見えず、沈黙のままに7年が経ってしまった。ブログに掲載された近作を見れば、快と不快が同時に押し寄せるそのパワーは健在なので、showcase #11では久しぶりにいくしゅんに再登場してもらおうと思い連絡したところ、快諾してもらえた。 いくしゅんの写真は、いわゆるストリートスナップのスタイルを取っている。それはたしかに「決定的瞬間」を映し出し、「トマソン」あるいは「VOW写真」の要素を備えてはいるが、決してそれらと同じにならない。四角いラグビー場に散ったプレイヤーたちの個々の動きを読むフルバックのように、世界を「切り取る」四角いフレームの隅々まで観察し、次の瞬間を読んでシャッターを切る運動神経や、被写体をさまざまに「切断」する一種の暴力性、主となる被写体が風景やオブジェではなく、基本的に動く物(人間と動物)である点、そしてその動物や人間の視線に対する敏感さは、ギャリー・ウィノグランドに通じる質であるが、ウィノグランドが多用したティルト(カメラを傾けること)をいくしゅんは決して用いないし、ウィノグランドの写真がときに見せつける階級や人種の激しい格差とは対照的に、いくしゅんの写真は、日本のフラットな日常世界のなかの、小さな弛みや綻びを、飽きることなく執拗に映し出していく。その弛みや綻びに、なにか普段は隠れている真実の世界が現れるわけではない。いくしゅんの写真が映し出すのは、世界はつねにどこか弛み綻んでいるという事実だけである。

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〒605-0073 京都府京都市東山区祇園町北側円山公園内八坂神社北側

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