KG+ 2026

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勝見里奈

Rina Katsumi

なぜならそこに生まれたから

2025年、記憶システムが混線した祖母は、自身の幼い頃のことをよく話してくれるようになった。
もともとあまり自分のことを話さない人だった。口数が少ないというわけではなく、むしろ快活でよく笑う人だ。
家族のためにたくさん料理をし、映画や小説を好み、ものすごく大きなくしゃみをした。
祖母の生まれ故郷は造船の盛んな港町の離れ小島で、彼女は時計屋の娘だった。

私たちはみな、生を受けるその地に印画された光のようだ。
私は訪ね歩く。
たとえそこに暮らしていなくとも、思い出のかけらを掴むことができなくとも、
扉は常に開かれていて、私は「そこ」に立っている。
「そこ」が「ここ」になることは、永遠にない。
それが撮るということなのだろう。

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勝見里奈は『身近なもの』をモチーフに丁寧に撮影することで、日常に垣間見る非現実の瞬間を捉え、重層的な世界と時に刹那的な光を映し出す。

根底にあるのは、人の一生を超えて繋がれてきた、永い時間軸へのまなざしである。
今、眼前の風景を記録する時、私たちはその土地の歴史の一部なのだ。

本展の会場は、およそ1000年前、源氏物語にも描かれた邸宅『六条院』が存在したといわれるエリアにある。
かつて現実と物語が交錯したその場所で、勝見が8年間にわたり記録した世界が、鑑賞者の日常に新たな眼差しを提示するだろう。

そのうちcafe SNC

〒600-8182 京都府京都市下京区塗師屋町119

Open: 4.18 Sat.–5.17 Sun.
Open Everyday

12:00 - 19:00

入場料 | Entrance charge : 1ドリンクオーダー | 1 drink required

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