S11
Kyungtaek Lee
Kyungtaek Lee
No man's land
写真家イ・ギョンテクは、「予期せぬ出会い」を通して存在の意味を解釈するアーティストである。大地の素材や風景との偶然の邂逅を通じて、物と人間の関係、そして人類の歴史の意味を拡張し、それらを新たな視点で結び直している。
《No Man’s Land》は、現代文明の境界と人が住むことのできない土地とのあわいに見出される人工構造物を扱ったシリーズである。私たちは通常、人工物はいずれ消え去るものだと考えがちだが、作家はそれらが消滅するのではなく、永遠なる大地の中で自然化していく様子に、ある種の永続性を感じ取ったという。
これらの構造物は、ヒマラヤやアンデス山脈、東アジアの島嶼地域、さらにはロシアや北極圏において、偶然に発見された人間の痕跡である。孤独に残された古い人工物を通して、作家はより野性的で未完の自己を抱えた、私たち現代人の孤独な内面性を語る。
同時に作家は、やがて私たちが周囲の環境に同化し、風景の「一部」となっていくという逆説にも目を向ける。
作品はすべて140センチメートルを超える大判写真として制作され、通常の写真用紙ではなく、版画用紙に特殊な乳剤処理を施したうえで作家自身がプリントしている。作品の物質性はきわめて芸術的であり、写真のリアリティと絵画的なマテリアリティの融合を見ることができる。
ザ・サウザンド京都
京都市下京区東塩小路町570
Open: 4.18 Sat.—5.17 Sun.
Open everyday
00:00 - 23:59
入場無料
主催|Organizer: AN INC.
協力|Cooperation: THE THOUSAND KYOTO