KG+ 2026

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大橋一弘

Kazuhiro Ohashi

昨日より短き日落つ

昨日より短い日が落ちて行く。西の空を薄紅に染めて。
「松のことは松に習へ」、そう芭蕉は諭した。それは「私意を離れよ」の意だという。己の理解や知識を以て松を「分かる」のではない、私意を離れ計らいを排し松に「習う」。そして己と対象とのあわいに立ち上る響きを拾い上げる。それは己の世界理解への気付きであり、己に対する気づきであり、それ故に対象との出逢いとなる。俳諧とは曖昧な認識の断片を身体に根ざした言の葉の響きに乗せる手法なのだ。カメラもまた意識するかせぬかの刹那に入り込んできた図像を掬い上げる道具でもあり、暗黙の経験を掬いあげ先入見を越えさせてくれる。
巡る季節の中、取るに足らぬ小さき欠片を、しかし二度と訪れぬ欠片を積み重ねて日々は続く。それらを図像に、言の葉に、ただ掬い上げる。その中にこそ撮り手の、観る者の、人間普遍の姿が映し出される。
視覚と言語、響き合う「ことのは」、事の端、言の葉。

Community Lab N5.5

〒600-8188 京都市下京区和泉町529

Open: 4.22 Wed.–4.30 Thu.
Open Everyday

10:00 - 18:00

入場無料 | Free

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