KG+ 2026

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長田果純

Kasumi Osada

星くずたち

「星くずたち」シリーズは、石を通して存在と時間の在り方を見つめる作品である。幼少期から親しんできた石をあらためて見つめ直したとき、内に向いていたまなざしは外の世界へとひらかれ、記憶と風景、自己と世界が静かにつながる感覚が生まれた。
石の表面に刻まれた模様や傷は、皮膚の皺や痕のように、過ぎ去った時間の痕跡を宿している。それらを撮る行為は、時間の層に触れながら、生きることや存在することのかたちをそっと確かめる行為である。石や肌、記憶や風景は、それぞれ異なる存在でありながら、ミクロとマクロの境界を失い、地続きにつながるものとして知覚されていく。
本展示は、瞑想室というわずかな光だけが差し込む空間で行われる。その環境は視覚を静かに制限し、鑑賞者を現実の時間や身体感覚からそっと切り離す。写真を見つめる行為は、知覚の揺らぎにとどまらず、時間や存在の層に触れる体験へと拡張され、まるで別の空間に投げ出されたかのような没入感を生む。本展で扱う湿板写真(アンブロタイプ)という写真技法もまた、撮影行為そのものが瞑想的な時間であり、空間の性質と深く重なり合う。
宇宙の視点に立てば、石も人も記憶も、同じ循環の中に漂う星くずの断片である。本作はその循環の中で生まれ、これからもかたちを変えながら続いていくシリーズだ。これはその途上に現れた、今この地点でのひとつの姿である。

落散 京都

京都府京都市上京区下石橋南半町54-1

Open: 5.5 Tue.–5.13 Wed.
Open Everyday

12:00 - 19:00

入場無料 | Free

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