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八木ジン
Jinn Yagi
社会的レイヤーThe Comfort of Silence
この作品は、私が撮影してきた都市の風景、作品として撮影したポートレート、そしてこれまでの展覧会に足を運んでくれた人々の肖像に、立体的なレイヤーを重ねることで、個人が内包する個性や気配、オーラを可視化しようとする試みである。
本展覧会では、そうした複数の視点や時間、感情が交差することで生まれる、さまざまなアスペクトや視野を表現している。
肌はキャンバスとなり、
目は相手への興味や好意、自信を映し出す一方で、
緊張、不安、偽り、仮想といった複雑な心理を同時に宿している。
近年のSNS空間では、
意見や感情、日常を発信し続けることが、
あたかも「存在の証明」であるかのように扱われている。
しかしその裏側で、多くの人々が静かに疲弊し、
本当の声を発することから距離を取り始めている。
本作では、ポートレートの前面に
クリスタルパターンを施したアクリル板を重ね、
写真を単なる平面表現として完結させるのではなく、
立体作品として構成している。
光を反射し、分散させるその構造は、
情報が過剰に屈折するネット空間を想起させると同時に、
人物の表情を物理的に遮断する。
それは、容易に可視化されず、
簡単に理解されることもない、
現代における「孤立」のひとつのかたちである。
コロナ禍を経て、人と人との距離は
テクノロジーによって縮まったように見える。
しかし実際には、沈黙を選ぶ人間にとって、
この社会は以前よりも生きやすくなった一方で、
同時に、より孤独な場所にもなっている。
それでもなお、
子どもの無垢なまなざしは、
そうした複雑さを一瞬忘れさせてくれることがある。
アートスペース感
京都府京都市北区紫竹東高縄町69
Open: 4.25 Sat.–5.6 Wed.
Closed: 4.27, 4.30
13:00 - 18:00
*最終日は17:00まで | Until 17:00 on the last day
入場無料 | Free
キュレーター | Curator: 安田ひろみ | Hiromi Yasuda
協賛 | Sponsor: 株式会社インターナショナルパブリックアート | INTERNATIONA PUBLIC ART
協力 | Cooperation: アートスペース感 | ART SPACE KAN