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ヤン・アルベルト・エッカート、トマス・ヴォーティエ、緑川雄太郎、マティルド・ジャロ
Jan Albert Eckert, Thomas Vauthier, Yutaro Midorikawa, Mathilde Jallot
空き地 | 空間、非空白
空き地——都市の中に点在する未利用の土地——は、京都の密集した都市組織の中に、擦り切れた布の隙間のように現れます。
一見すると、それらは単なる空白のように見えるかもしれません。しかし、しばらくその場にとどまり注意深く観察してみると、もうひとつの都市の姿が浮かび上がってきます。自生する植物や昆虫、重なり合う音の風景、そして人間以外の存在が刻むゆるやかな時間のリズム。空き地は「空」ではありません。特定の人間的用途からいったん離れているからこそ、そこには静かに生命が満ちています。
本プロジェクトは Bridge Studio から始まります。ここでは来場者が地図を手に、近隣の空き地を歩いて巡ることができます。平日は自由に散策でき、4月25日(土)と26日(日)にはガイド付きの Akichi Walk が行われます。これらの散策は浄土寺周辺の非公式な都市生態系をたどりながら、都市の中にひそむ自生植物や見過ごされがちな小さな風景へと参加者を導きます。この歩行体験は、茶室へと向かう庭の小径である露地の考え方とも共鳴しています。すなわち、来訪者を一歩ずつ茶の空間へと導く道筋です。
その道の終点は金戒光明寺。ここでプロジェクトは、4月25日と26日の週末に開催される展示と茶会へと展開します。展示では、都市の中に自生する生命の姿を捉えたドキュメンタリー写真および拡張的な写真作品に加え、音響や彫刻的要素が組み合わされます。参加アーティストは、ヤン・アルベルト・エッカート(都市研究者/写真家)、トマ・ヴォティエ(写真家/彫刻家)、マティルド・ジャロ(漆作家)です。
プロジェクトのパフォーマティブな側面は、緑川雄太郎とトマ・ヴォティエによる茶会として展開されます。ここでは音、イメージ、味覚、そして人の存在が交差します。ヤン・アルベルト・エッカートによるフィールドレコーディングが空間に繊細な音の層を生み出し、茶会はプロジェクトの社会的かつ感覚的な中心となります。また、この儀式は同時に写真の行為でもあります。ポラロイド写真がその場で撮影され、共有された瞬間のささやかな痕跡として参加者のあいだを巡ります。
歩くこと、聴くこと、味わうこと、そして見ること——それらが結びつくことで、来場者は空き地を単なる欠落した空間ではなく、都市の織物の中に現れる「生きた閾」として体験します。そこは、都市が静かに未来へ向けて呼吸している場所なのです。
空き地 | 空間、非空白 | Akichi | Vacant Not Empty
Exhibition, experiential walk and tea ceremony
2026.4.25 土. — 4.26 日. 10:00–18:00
2026.4.25 Sat. — 4.16 Sun. 10:00–18:00
Venue : Bridge Studio, Konkai Kōmyō-ji temple
ヤン・アルベルト・エッカート、トマ・ヴォティエ、緑川雄太郎、マティルド・ジャロ
Jan Albert Eckert, Thomas Vauthier, Yutaro Midorikawa, Mathilde Jallot
Reservation: Required at http://re-negotiating.space/akichi/
Bridge Studio
京都府京都市左京区浄土寺東田町69
69 Jodoji Higashidacho, Sakyo Ward, Kyoto, Japan
Open: 4.22 Wed.–4.30 Thu.
Open Everyday
10:00 - 18:00
入場無料 | Free
*平日は自由見学
*4月25日・26日はガイド付きイベント開催
キュレーター | Curators : ヤン・アルベルト・エッカート、トマ・ヴォティエ | Jan Albert Eckert, Thomas Vauthier