KG+ 2025

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Yudai Yoshikawa

YudaiYoshikawa

こころのゆくえ 前編「カイ」

合わせ鏡が不吉なものとされているのは、自己認識を解体しかねないというのが原因の一つである。鏡に映る自分の像を凝視することは、一種のゲシュタルト崩壊を起こす。これは、自己認識が、鏡に映った像という自己とは他なるものに依存していることを意味している。つまり、両者の間には恣意的な連関のみが存在するのである。  このような恣意性に我々は滅多に気づくことはない。しかし、この連関が恣意的ならば、その外側の混沌とした世界の広がりを逆説的に認めることになる。アンドレ・ブルトンがシュルレアリスム宣言から100年が過ぎたが、彼らが目指したものはこのような世界の表現であった。  さて、本展示は四枚の同一の写真を逆転、反転させたものを組み合わせたコラージュ集から成る。合わせ鏡の原理を使うことで既定の認識を解体し、混沌、無意識、狂気、聖性、ケガレなど、呼び方は何であれ、古今東西直観されてきたものを、こちら側へと呼び寄せる。

ツキミホテル

京都府京都市東山区月見町21

Open: 4.11 Fri.-5.12 Mon. 11:00-18:00 Open Everyday

11:00 - 18:00

入場無料

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