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福井慶則
Yoshinori Fukui
パンタ・レイ
古代ギリシアの哲学者が説く「万物は流転する」(パンタ・レイ)という思想は、サハラ砂漠の風景に鮮やかに浮かび上がる。かつて緑豊かな大地であったこの地は砂漠へと変容し、サハラに生きるトゥアレグは、移ろいゆく環境と伝統を見つめながら、今また新たな時代の転換点に立っている。本展示では、サハラの光景をモノクロームの抽象性とふるさと伊勢の和紙の物質性で表現し、異なる文化が交差する場を作り出した。鑑賞者それぞれの経験や価値観は、写真に新たな意味を見出し、そこから生まれる感性の交わりが、世界の可能性を広げる。サハラの悠久の流れの中で見出される変わらぬ尊さ、移ろいへの理解、消滅への哀惜、そして創造への期待。それらは、鑑賞者にこの激動の時代を共に生き抜くための道を問いかけ、前を向いて進む勇気を呼び覚ます。
ギャラリー270
602-0862 京都市上京区出水町 270(河原町通り丸太町上る140m東面)
270 Demizu-choo Kamigyo-ku Kyoto, Japan
Open: 4.18 Fri.−5.6 Tue. 11:00−18:00 Closed: Wed. Thu.
11:00 - 18:00
入場無料
協力|Support: 伊勢和紙(大豐和紙工業株式会社)