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戸田沙也加
Sayaka Toda
Voice of Silence
行政による区画整理により、テラコッタの裸婦像を生涯にわたり作り続けた物故 作家のアトリエがもう間も無く解体される。19世紀後半に西洋の美的概念が輸入 され、日本の芸術家たちは西洋に倣い女性の裸体を人間性を抜き去った肉体の美の 集積として表現することを受け入れた。 主が不在となったアトリエを埋め尽くす夥しい 数の名もなき裸婦像は、仄暗い北窓の外光に照らされながらアトリエが解体されるその時を静かに待つ。 裸婦が美の象徴として崇拝されていた時代が終わりを迎え、解放された肉体として現存する女性達の語られることのない言葉なき声に耳を傾ける。
京都写真美術館ギャラリー・ジャパネスク2F
〒605-0038京都市東山区堀池町 374-2
Open: 4.29 Tue.−5.11 Sun. 11:00−18:00 Open Everyday
11:00 - 18:00
入場無料
*最終日は 17:00まで | Until 17:00 on the last day