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澄毅
Takeshi Sumi
Les fantasies - かつて / そこに / あったもの-
写真は「かつて・そこに・あった」存在しか残すことができない。それが魅力であり、本展覧会の作家である澄毅が写真に執着する理由である。子供の頃から「目に見える世界に依存しつつ、その端から垣間見える虚構について考えを巡らせてきた」という澄は、どんな写真作品にも底通するものは光と捉えて、長年制作を行ってきた。 本展覧会のタイトルであり、出展作品のシリーズ名でもある「Les fantasies」は、「幻想(たち)」と訳せるフランス語である。その言葉の意味することは、澄が立脚する写真という媒体が持つ表現への抗いとも取ることができる。写真がプリントされた紙に直接刺繍を行い、糸は様々な色を帯びながら写真が撮られた瞬間には映り得なかった存在を生み出すと同時に、被写体と繋がりあっていく。撮影された写真の中の世界にとっては幻想/非リアルである糸の存在は、平坦な紙の上で三次元を立ち上げ、鑑賞者が今いるリアルな世界と写真が撮られた瞬間の結節点となっている。
node hotel
〒604-8225 京都市中京区四条西洞院上ル蟷螂山町461
Open: 4.11 Fri.–5.11 Sun.
Open everyday
10:00 - 20:00
コーディネート|Coordinate: 上村優(株式会社Hatch) |Yu Kamimura(Hatch Ltd.)
主催|Organizer: 株式会社CANATA
協力|Cooperation: HOTEL CANATA KYOTO