壱岐成太郎

Seitaro Iki

Piecesは今までに出会った事象を見つめ、見返すことで自分なりの生に対する検証と共有をテーマとした写真映像群である。 壱岐成太郎はコロナ禍で入院中に同室であった人との出会いをきっかけに佐賀県有田町に2021年移住し、山から取り出された「陶石」と呼ばれる石が、人の手が加えられる度に「うつわ」としての形やイメージを変えていくさま、そして同時に織りなされていく人々の営みを撮影してきた。 その体験が生む影響に身を委ねつつ時に踠くことは、自分自身の存在を自然物である「陶石」や人工物である「うつわ」と重ねながら、生きる上で無意識の内に積み重ねてきた境界線やイメージを内省させた。 今回の展示ではそういった出来事を一つの座標としながら時間と場所に捉われることなくそれ以前、それ以降の撮影物を織り交ぜ、写真行為を通して生に対する確かさと不確かの知覚とこれからの新たなつながりを生むことを試みる。