中川もも

Momo Nakagawa

私たちは、あらゆるものに名前をつけてカテゴライズをしてしまう 偽りのダイバーシティによって、 曖昧な輪郭を持ちながらも、その曖昧さを許さない社会で 生きることを強いられている。 私はその息苦しさから 逃れるための方法の一つとして、スマートフォンやパソコン、カメラ、スキャナーなどの 機械と共に 人間の皮膚や 建物の壁のイメージを採取し、「クローナルイメージ」を生成し続けている。 制作行為をセルフメンテナンスと捉える私は、自身の状態をチューニングするように 機械と私のパートナー、あるいは 第三者との相互作用によって デジタルとアナログの世界を撹乱するが、 テクノロジーの力を借りながら、 私、あるいは私たちのアイデンティティを含むイメージを この世に繁殖させていくことは、自身を生き延びさせる 手立てのひとつともなっている。