岡美里

Misato Oka

webメディアが隆盛の今、新聞紙は版画としての魅力が増した。灰色の薄紙とインクの匂いに、まるで彫刻の新しい素材に出会ったような興奮を覚える。終りなき紛争、最新のファッション、飢え、自然災害、それらが表裏一体にプリントされた紙面は、人間性の矛盾を体現しているかのようです。 このフォトモンタージュはシュルレアリスムと同様、ハサミと糊のみで世界に沸き起こる現象を再構築する。しかしながら絵として凝ることはせず、一日分の新聞の中から無作為に選んだ写真を使用し、偶然性と同時性を優先した。また完成した作品には作家が新たに物語を与え、それらが決して別の惑星で起こった出来事でないことを印象づけた。