KG+ 2025

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佐藤真優

Mayu Sato

白昼の街

日本のニュータウンは、主に20世紀後半に郊外の土地を切り拓いて作られた人口住宅地である。様々な地域から若い世代が移り住み、システム化された敷地内で理想的な暮らしを送った。 毎朝、家を出て静かな団地の敷地内を歩く。規格の統一された無機質な建物や、巨大な給水塔が立ち現れる。それらは生活の場そのものでありながら、どこか現実感を欠いている。この人工的な空間には、異質な空気が漂っている。 西洋を模した土着性のない建物は、あたかも生活を演出するための舞台装置のようである。それらは土地の本来の姿を覆い隠し、そこに立つ自分さえも宙吊りになる感覚を抱かせる。よく晴れた日のニュータウンでは、こうした宙吊りの感覚が時間の停止や永続性を錯覚させるのである。私はその非現実的な瞬間を、写真という時間の概念を持たないメディアを通じて表現している。

kumagusuku SAS

〒602-8126 京都府京都市上京区中書町 685-2

Open: 4.25 Fri.−5.11 Sun. 11:00−17:00 Closed: Mon. Tue. Wed. Thu.

11:00 - 17:00

入場無料

キュレーター|Curator: 矢津 吉隆|Yoshitaka Yazu

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