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MACO (藪田正弘)
MACO (Masahiro Yabuta)
原発:時を超える風景 vol.2
原子力発電所(原発)が発する違和感の中でも最も強いのは、私たちに突きつける「時間」の長さだ。原発は人間が1万年単位で管理し続けなくてはならないと言われている。手が及ばないものと実感する所以である。 私は原発の姿を確認し、記録するために日本全国を巡っている。全て海岸に面し、豊かな自然と共にその姿はユニークな風景を形作っている。原発と同様、立地する場所の美しい自然の姿もまた長い年月を経て形づくられてきた。ひとりの人に与えられる時間は長くても100年程度、その時間軸に生きる私はそれとは違う時間軸にある風景としての原発の姿を捉えるために19世紀に開発されたヴァンダイク・ブラウン・プリント技法を用いることにした。150年余り以前に生まれた技法によるセピア色のモノトーンの画像に「時間」の感覚を閉じ込めることができるのではないかと考えた。 本作品は、人と原発との「時間」の非対称を表現しようとの試みだ。
ギャラリーヒルゲート
〒604-8081 京都市中京区天性寺前町535
Open: 4.29 Thu. –5.11 Sun. 12:00–19:00 Closed: 5.5
12:00 - 19:00
入場無料