KG+ 2025

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草木勝

Masaru Kusaki

夏の終止符

鴨川に架かる最南端の橋、京川橋のほとりに建つ集合住宅に住んでいる。鴨川もこの辺りまで南下すると、都市とは言えないけれど、田舎というにもすこし違和感がある程度の郊外になる。河川敷は市街地ほど手入れが行き届いているわけではないので、自然に任せて繁殖した植物に覆われて、市内にはあまり見られない狐やイタチといった野生動物も、それらわずかばかりの自然に守られてひっそり生息している。少し離れて自分の住む集合住宅を眺めると、自然環境とは不釣り合いなコンクリートの箱が、遠慮がちに川岸に置いてあるように見える。 夏の終わり頃、バス停から自宅への道をたどると、道の両側の雑草が背丈ほどの高さに伸びて、夕暮れ時はなんだか長い旅行から帰ってきたような気持ちがする。植物の生命力によって徐々に鋪道は両側から圧迫されてしまうのでもうすぐ市から依頼を受けた業者がきれいに刈り込むのだろう。歩行者やサイクリストには快適になるはずだが、私は「もうしばらくこのままならいいのに」と毎年この季節に思う。

AMS写真館ギャラリー3・玄関ロビー

〒604-8425 京都市中京区西の京銅駝町48

Open: 4.28 Mon. –5/11 Sun. 10:00–17:45 Closed: 5.4, 5.5, 5.6

10:00 - 17:45

入場無料

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