コムロミホ

Comuromiho

「行き先も決めずにふらっと四つ足で進んでいく 暖かい日差しに、ふと立ち止まり、海の匂いに誘われて、また歩き始める 行く先々でいろんな人に出会いながら、いつもの道を進む リズムよく頭を撫でられて、なんだか心地がいい 「またね」の声とともに毛並みがやわらかく揺れている どこに向かっても瀬戸内の優しい風が吹いている」道中さまざまな人に出会った 瀬戸内には、おせっかいなほど親切な人がたくさんいる その何気ない会話に、人の暖かさを感じながらシャッターを切った 尾道の「猫の細道」に住む猫たちは 通りすがりの人たちに声をかけてもらい、撫でてもらい、 とても幸せそうに暮らしている その猫たちと、瀬戸内を旅する私を重ねて一つの作品にまとめることにした 尾道の坂の町を歩いていると、いろんな感情が湧いてきた 訪れる度に迎え入れてくれる人の温かさを感じる一方で 古家が自然へと移り変わっていく儚さに、人生の移り変わりを感じるようになった