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秋田京花
Kyoka AKITA
遠い呼び声の彼方へ
地球の原子の総量は、地球が誕生してから今日まで不変なのだという話を聞いたことがある。だとすれば、輪廻転生の概念は科学的にも正しく、私が生きる「今この場所」や「この身体」は、かつて別の物質であった何かをリサイクルしてこの世に現れているだけなのかもしれない。時々そんなことを考える。過去や未来、自己と他者の境界は淡く薄れていき、目には見えないはずの何かの存在を近くに感じる。この場所に生きた人々や、かつてあった風景は思いの外近くに存在し、私たちに常に呼びかけている。その呼び声が届くところに居たい。
Gallery G-77
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