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菅野英人
Hideto Sugano
SINTHOME
今回の作品は、【切断と結合】【フレーム、額縁・装置】のコンセプトを継続・展開し、 最新作では、AIの画像を使って制作している。
写真のもつ記録性・事実性とフィクション性という両義・二重的な性質や、AI画像の フェイク性・人工性と潜在性を使うことで、不安定で複雑化する世界、社会や人間の 矛盾と両義性・二重性を表現している。
また、写真・画像の周りに、模様紙 を貼り配置することで、中心と周辺の交錯、 メタレベル的関係とAIの情報ネットワークの【流動と遮断】 【切断と結合・フレーム問題】と結びつけ、構造化している。 また、AI画像による人物画では、AIが描く実在しない人物を使う事で、現代の バーチャルな情報世界での複数の自己・身体・アイデンティティーの問題などを 連動させて表現している。 タイトル『SINTHOME』は精神分析哲学のラカンの用語で、結び目・結合する機能 という要素で、切断画像の再結合、風景写真の上に植物などを合成、フレーム・額と作品 やAIに入力した言葉と画像という異なる媒体の結びつけ、潜在性・綜合性を引き出す事 が、フロイト、ラカンが扱かう、人間の精神、無意識と接続する。
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