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林 煜涵|Lin Yuhan
850nm
850nmとは光の波長で、防犯カメラが発した目には見えない赤外線をもとに作った写真 を意味したものである。作家は写真の人間のものではない視点、人間的な視点以外の機械的な視線に注目している。 撮影に使うカメラは、普通のデジタル一眼レフを改造し、防犯カメラと同じように人感センサーに反応した時にだけ、カメラが自動的に撮影するようにし、その写真を重ねて作品作りを行った。すべての可視光線を除いた防犯カメラの特定の波長の赤外線だけ撮影した写真作品である。シャッターを押すのは人間ではなく、全てカメラ自体によってその撮影が果たされるもので、防犯カメラに対する防犯カメラとも言える。賑やかな夜の道で、全ての可視光線を取り除くと、群衆が亡霊のように歩いているように見える。と作家は言う。
経歴
1996 年中国福建省生まれ、清華大学美術学部卒業,現在、東京芸術大学先端芸術表現科在学中、主 に写真メディアによって作品を作っている。特にリアリティ、見ること、写真であるこ との本質性について、 興味を抱いている。
くろちく万蔵ビル