S05

小原一真
Kazuma Obara
The Sharing of Being
小原一真は、福島第一原発作業員のポートレート撮影をはじめ、戦争やパンデミックといった大規模な災禍の中で社会から見えづらくなった個人の記録を続けています。2021年のKyotographieでは、コロナ病棟での看取りをテーマにした「Fill in the Blanks|空白を埋める」を京都・二条城で展示、2022年からはハンセン病療養所の取材を開始しました。 ハンセン病患者を強制隔離する政策は1907年に始まり、患者を終生隔離出来る法律は1996年まで続きました。患者やその家族は、ハンセン病が恐ろしい伝染病であるという誤った情報によって、甚大な迫害と差別を受け続け、病気が完治した今もなお、その影響は強く残り続けています。 本展では、小原が聞き取りと撮影を続けてきた沖縄と関西のハンセン病回復者・家族への聞き取りの言葉、そして、彼らが歩んできた軌跡を写真で表現します。言葉は、社会が彼らが奪わってきたものと、その中で彼らが築き上げてきたものを提示し、写真は、私たちが普段見ている景色の背後にある見えない風景を暗示します。
S5-1 しんらん交流館
「わかちもつ言葉と風景 – 悼む」|「The Sharing of Being – Mourning」
しんらん交流館では、「悼む」をテーマに写真とテキスト、映像を用いたインスタレーションが行われます。「社会」から不可視化された隔離の先で亡くなっていく人々を社会の中にいる「わたし」が悼むこと、そして、その行為について考えます。
S5-2 小川珈琲 堺町錦店 2階
「わかちもつ言葉と風景 – 編む」|「The Sharing of Being – Interweaving」
小川珈琲2Fギャラリーでは、「編む」をテーマに展示が行われます。ハンセン病回復者の人々が療養所の中で積み重ねてきたもの、日々の暮らしの積み重ねの中で獲得してきた言葉、習慣の中で大切にされてきたものを当事者の作品や居室の写真、詩などが空間に配置されていきます。
S5-3 京都地下街ポルタ
「わかちもつ言葉と風景 – 道程」|「The Sharing of Being – Paths」
京都地下街ポルタでは、「道程」をテーマに展示が行われます。日本には北は青森、南は沖縄まで13の国立ハンセン病療養所があります。小原は回復者への聞き取りをもとに、当事者たちがこれまでに移動したいくつかの道程を列車やカヤックで辿りながら、そこから見える風景写真を撮影しています。それは、かつて回復者たちが療養所に向かった道程であり、また、一時帰省、社会復帰、そして、現在では、再入所される方々が見ている風景かもしれません。展示される青森から沖縄の風景、当事者の言葉は、普段、何気なく見ている景色の背後にある、異なる風景を立ち上がらせます。
S5-4 URBAN RESEARCH KYOTO
「わかちもつ言葉と風景 – 間柄 |「The Sharing of Being – A Self in Relation」
URBAN RESERCH KYOTOでは「間柄(あいだがら)」をテーマにインスタレーションが行われます。他者や環境との関係性、コミュニケーションの中で形成されていく自己、その中で掴み取る自らの「自分らしさ」について「間柄」をキーワードに探求します。展示では、あるハンセン病回復者家族の男性が幼少期に自ら編んだ家族アルバムと彼が青年期に撮った写真のネガをスキャンした作品を用いて、他者との関係性の中で一人の人間として掴み取り、築き上げてきたその「生」を表現します。
Shinran Koryukan
京都市下京区諏訪町通六条下る上柳町199番地 Kyoto, Shimogyo Ward, Kamiyanagicho, 199
Open: 4.11 Fri.–5.11 Sun.
平日:9:00–18:00、土日祝9:00–17:00
Closed: Tue., 5/3–5/5
Free
協賛|Sponsor: 京都新聞印刷|Kyoto Shimbun Printing
Porta KYOTO Shopping Mall
京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町901番地
Free
協賛|Sponsor: 京都新聞印刷|Kyoto Shimbun Printing
Ogawa Coffee Sakaimachi Nishikiten
519-1 Kikuya-cho,Nakagyo-ku,Kyoto 604-8127
Open: 4.12 Sat.–5.11 Sun.
7:00–20:00(L.O. 19:30)
Open everyday
Free
協賛|Sponsor: 京都新聞印刷|Kyoto Shimbun Printing
URBAN RESEARCH KYOTO
京都府京都市中京区寺町通円福寺前町285
Open: 4.29 Tue.–5.11 Sun.
11:00–20:00
Closed: 不定休
11:00 - 20:00
Free
協賛|Sponsor: 京都新聞印刷|Kyoto Shimbun Printing